蝶龍

〜冬馬サイド〜



琉伊から
真実を聞いた。


思っていた通り
琉伊が殺したわけじゃなかった。


ただ。
岩動隼人に対する
怒りで溢れていた。


ずっと琉伊を
苦しめ。


暁の命を奪ったその男に



無理に笑う琉伊の
笑顔ほど見ていて辛いものなど有りはしない。



冬馬「…泣けよ…。」



琉伊『…えっ??』



必死に堪えながら
微かに震える声で返事をする。



冬馬「俺は最初からお前がヤったなんて信じてねぇよ。」




琉伊『だって…あたしが。……捕まらなきゃ』




冬馬「例えそうだとしても。殺したのは岩動隼人だ。お前じゃない。暁だって今のお前を見たくて守ったんじゃねぇよ。」




そうだ。
コレが俺の本心だ。


きっと廉斗もそう言う。



琉伊『…と…ぅ…ま…ぁ…ッ』



冬馬「琉伊は悪くない」



琉伊『うぁぁぁぁあああああ!!!!』



狂ったように泣き出す
その痛々しい姿を

俺は…頭を撫でてやることしか


出来なかった。



なぁ。
お前も自覚してんだろ??


こいつを抱きしめて
支えてやれるのは

認めたくねぇけど…かなり癪だけど

俺じゃなくお前なんだよ


……光樹。



< 103 / 203 >

この作品をシェア

pagetop