イケメン彼氏の秘密
その後も連れられるがまま。
少し移動するだけで斗真はすぐに声をかけられる。
友達にも初めての人にも。
…可愛い子にも。
そして会話を聞いていると謎のワードばかり。
その上、私を見た人は必ず
「アーヤちゃんそっくり!!」
「リアルアーヤだ!!」
なんて言ってくる。
いい加減アーヤって誰なのかが気になってきた。
「…おっと……そろそろ昼時だな。飯食べるか」
「ご飯!」
歩き回ってちょうどお腹空いてた!
斗真は私をベンチに座らせ「買ってくる」と言って行こうとしたけどまた帰ってきた。
「どうしたの?私が買ってこようか?」
「いや問題はそこじゃない……」
「何?」
じーっと私を見ると溜め息。
……失礼じゃない?それ。
「やっぱ連れてくるんじゃなかったかな…まぁ格好を見れてすげー嬉しいけど……」
「ねぇ、どうしたの?」
「一緒に買いに行ってベンチに座れなくなるのは恭奈も嫌だろうし…」
「斗真ー聞いてる?」
「誰か知り合いいねぇかな……」
聞いてない。
さっきから何を言ってるんだろう。