罪語りて所在の月を見る


「なら身に覚えのない出前を頼んでやらあぁって、ちげえよ!そうじゃねえよ!てめえ、今、『てれびない』って言ったか!?」


「はい。以前溝出さんも来たじゃないですか。見た通りになかったでしょう」


「てめえの家、広いじゃねえか!家のどこかにてれびじょん様を置いていると思ってたのによぅっ。

くーっ、一家に一台のてれびじょん様を招かないなんて、てめえそれでも人間かよっ!」


「いや、あの」


「信じらんねぇ、信じられんねえよ!まさか、てれびじょん様がない家庭があるだなんて!

俺たちに夢や希望を与えてくださり、更には家族の絆も深めようてれびじょん様が『りびんぐ』にないだなんて!

はっ、だから今、家族の孤立化が問題になってんのか!池上〇先生が問題にしてたが、おおぅ、現代において、てれびじょん様業界は衰退の一途を辿るみてえだが。

おろろぉん!てめえらみたいのがいっからてれびじょん様業界は赤字になんだよっ、おおぉんっ、てれびじょん様の素晴らしさが分かんねえなんて、人間辞めちまえっ、おらあぁ!」



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