白昼夢
―翌朝。


~♪~♪♪~

ハルの携帯が鳴る。アキトからだった。


「…ん~?もしもし…?」

ハルはベッドの中で電話に出た。

「もしもし?おはよっ!!ごめん、まだ寝とった??」

「寝てた…けど大丈夫。」

「今日の昼空いてる??」

「うん、空いてるでぇ。」

「じゃあ、俺ん家来いよ!!」

「オッケー。じゃあ、昼ね。」



昼。アキトのアパートへ行くと、アキトが2枚の羽子板を持ってきた。

「ハル!!羽根突きしようや!!」

「羽根突き!?やろやろー♪うわー!何年振りやろ!?」

「もちろん、墨ありな♪」

「アキトの顔真っ黒にしたるわっ!!」

「それは、こっちの台詞やし。アパートの下の芝生でやろっ!!」


2人は、基本的に遊び好きなので、羽根突きに熱中した。
墨を付けたり、付けられたり、子供のように騒いで、大声で笑いあって…。



「2人の世界に入ってるな。」
「誰も入れへんよね。」

アキトに朝から呼ばれていたヒカルとユイは、2階に住むアキトの部屋のベランダから、2人の羽根突きを見下ろしていた。


「俺らが一緒に新年迎えるのって何回目やっけ?」

「えっと…、4回目。」

「ずっと…こうしていたいな。」

ヒカルがユイの手を握った。

「…こうやって一緒にいられなくなる日が来るとしたら、どちらかが死ぬときか、ヒカルが『別れよう』って言うときやな。」

「そんなこと絶対言わない!!それに、ユイも死なせない。俺が一生守る。」

「一生?」

「うん。だから、俺と幸せな家庭を築こう!」

「…え?プロポーズみたいやん!!」

「俺、本気やで。」

「……。」







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