蒼幻の天使~A Solitary Flower
沙希、目一杯おしゃれしちゃって、かわいいな。
沙希と拓ちゃんが隣同士で歩く後ろをついて行きながら、恋する乙女を観察する気分の私。
「ね、久遠くんは遊園地久しぶり?」
沙希の楽しそうな声が聞こえて満足げに微笑む私。
「ん~、美月と3年前に行ったのが最後だったよな?」
そう言って私を振り向いた拓ちゃんの瞳は、冷たく乾いていた。
なに、その視線。
拓ちゃんはすぐに私から視線をそらすと、沙希に向かって「美月は意外と絶叫系だめだからな。オレたちで楽しもうか」と言って、優しい笑顔で沙希の手を引っ張る。
……なんだ、拓ちゃんてば。
けっこうその気じゃん。
私はなんとなく、寂しさと安堵が入り混じった気持ちで二人の後ろ姿を見守る。
それじゃあ、すぐにでも退散しますかね。
二人が後ろの私を振り向かないのを見計らい、私はゆっくりと足音を立てないように後ずさる。
ある程度離れたのを確認して私はダッシュ!!
人ごみの中を無我夢中になって走る。
もうすぐ遊園地の門にたどりつくというところで、不思議なものが目に入った。
サラサラのロングヘアーの見慣れた後ろ姿。
まさか、信じられない。
こんなとこに。
「ママ!?」
沙希と拓ちゃんが隣同士で歩く後ろをついて行きながら、恋する乙女を観察する気分の私。
「ね、久遠くんは遊園地久しぶり?」
沙希の楽しそうな声が聞こえて満足げに微笑む私。
「ん~、美月と3年前に行ったのが最後だったよな?」
そう言って私を振り向いた拓ちゃんの瞳は、冷たく乾いていた。
なに、その視線。
拓ちゃんはすぐに私から視線をそらすと、沙希に向かって「美月は意外と絶叫系だめだからな。オレたちで楽しもうか」と言って、優しい笑顔で沙希の手を引っ張る。
……なんだ、拓ちゃんてば。
けっこうその気じゃん。
私はなんとなく、寂しさと安堵が入り混じった気持ちで二人の後ろ姿を見守る。
それじゃあ、すぐにでも退散しますかね。
二人が後ろの私を振り向かないのを見計らい、私はゆっくりと足音を立てないように後ずさる。
ある程度離れたのを確認して私はダッシュ!!
人ごみの中を無我夢中になって走る。
もうすぐ遊園地の門にたどりつくというところで、不思議なものが目に入った。
サラサラのロングヘアーの見慣れた後ろ姿。
まさか、信じられない。
こんなとこに。
「ママ!?」