蒼幻の天使~A Solitary Flower
もしかしたら、わたしの魂が恋をすることを拒絶しているのかもしれない。

前世の禁じられた恋の記憶が。

「…ねぇ、セイジュ。前にレンのことで言ってたよね?彼は月の番人だって。月の掟を破る者を冷酷なまでに排除するって。もし、もしもよ?わたしが恋を禁じられていたとして、わたしが恋をしたら……わたし、レンに排除されちゃうのか…な?」

「……美月。お前は闘いの天使でもガードでもない。恋を禁じられる理由はない。それにオレがお前のガードになった。……必ず護るよ。心配するな」

セイジュはこっちを向かなかったけど、真剣な表情でそう言った。

護ると言ってくれる人がいる。

不思議と…力が湧いてくる気がした。

ママもきっと、こんな気持ちだったんだろうな……。

「楽しそうね。わたしもう少し寝てたほうがいいかしら?」

「…い、いずみさんっ!」

いずみさんはセイジュの背中の上で、からかうように片眉を吊り上げた。

…やっぱりいずみさんは小悪魔だ。

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