攻略難関なイケメン君。


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午前の涼しいそよ風が暖風に変わりだした頃、あたしは目を覚ました。


そうは言っても爽快な目覚めではなかった。


季節は夏に入りかけてる頃。

そんなとき、屋上で寝てるあたし。


当然のように汗を掻いていた。


ぬるぬるしてて気持ち悪かった。


慌てて立ち上がって屋上を出ようとした。


しかしその時、好都合にも液体らしきものが空から降ってきた。


瞬時に雨だと理解したあたしは、また座り込む。


・・・雨は嫌いではない。


そうか、今は梅雨時だったな。


あたしの制服を濡らしていく雨。


それが心地よくて思わず自然に顔が綻んだ。


その刹那・・・――



ガラッ・・・


静かにドアが開く音が背後でした。


誰か入ってきたみたい。


雨が降っているのに珍しいな、と思いつつドアのある方へ振り返ると

そこには人物らしき黒い影があった。


影の形からして多分男の人。


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