攻略難関なイケメン君。


「・・・雨が好きだから・・・。」


「変なの。」


「悪い?あなただって人のこと言えないでしょ。」


挑発的に言うあたしだけど、目は完全に彼の体を追っていた。


「そうだね。」


「ところであなた、見ない顔のようだけど・・・。」


言いかけて辞めた。


寝起きの所為か自分の偽装キャラになりきっていないことに気づいたからだ。

つい、口調の悪い自分になってしまった。


しかしもう遅い・・・。


あたしは青ざめた顔でもう一回言いなおした。


「・・・あまり見ない顔のようだけど他学年の人かな?」


そう言うとそいつはまたフッと鼻で笑った。


な・・・っ、コイツ。ガチでむかつく。


その馬鹿にしきった笑みを見てあたしは少しだけいらっとする。


「何がおかしいのよ・・・じゃなくてなんで笑ってるのかな?」


ああっ、もうっっ!!


むかつく。


こいついつまで笑ってるの?


その不敵な笑みを崩さずに彼は言った。

「別に・・・。バカだなぁって思って。」



・・・カチン












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