攻略難関なイケメン君。
「んで、ムカついて何て言ったんだっけ?・・・あ。眼鏡ダサって言った訳よ。」
「ぶwwwちょwww笑わせんなww」
「笑い事じゃないんだぉぉ!!その後がもう超大変だったんだからぁ。」
「何々~?なんかされちゃったのぉ?」
「奈々、変な妄想やめて!!」
「え、違うのぉ~?」
「まぁ、されたっちゃされたんだけど・・・。あの後何か急に表情が怖くなってあたしのことをいきなり押し倒したのよ!!」
「・・・そのシチュエーションエロいな。」
「だーかーらー、そんなんじゃないって!!超ビビったし!!」
「ふーん?でも雨の降る中押し倒されちゃってお互い見つめあう・・・。いい響きじゃん♡」
・・・今思えば確かにそーかも。
水滴の滴る黒髪を靡かせてあたしの顔を覗き込むイケメン君がいたら誰だってときめきそう。
でも・・・、そんなこと考えてる暇なんてあの時のあたしには無かった。
透き通ってはいても無機質なその瞳にはあたしの怯えた姿が映っていた。
「・・・怖かった。ガチで。」
「ふふ、ビビってる美麗見たかったなぁ~?」
サディスト奈々たん、ここに降臨!!!
・・・ってオイ!!!!!
心配をしてくれ!!友達なら心配してくれよ!!
「で、その後は・・・?」
「別に・・・。あ、でもあたしが学年とかクラスとか名前聞いたの!!」
「そしたら・・・?」
「あたしの隣だって答えてた・・・。」
「はぁ!?隣????どーゆーこと??」
「だからっ、もしかしたら屋上で会ったイケメンは美咲ちゃんの言うダサ男かもしれないっていうことなの!!!」