攻略難関なイケメン君。
「さいてーじゃん。」
「・・・違うし。」
ずっと俯いていた川谷が顔を上げ低い声で言い放った。
「・・・いいからさっさと返してよ。」
「「「「あ???」」」
口答えしたことにキレた男子。
・・・
「あれ持ってこい。」
と静かに取り巻きに言うと
「お前、俺様に口答えしてんじゃねーよ。」
と怒鳴った。
取り巻きが慌てて準備したものはなんと殺虫スプレーだった。
ボス的な奴にそれを渡す取り巻き。
ブシュー
何の躊躇いもなくスプレーの中が川谷の体操服に噴射された。
「俺は教室の害虫を排除してやってんだよ、なぁ???」
「ああ。」
「そーだ。」
ボスが言うと口々に皆が同意する。
「ブハハハ 本当キモいな。まぢ死ねよ。なんでこんなにかけてるのに死なないんだし。まぢ生命力ぱねーな。人間かよ。」
最早、人間扱いではなく害虫扱いされている川谷。
それなのに川谷と言えば眼鏡以外は全く気にする様子もない。
「あー、なんかつまんねー。あ、そーだ。美麗ちゃんおいで。」
ふいに名前を呼ばれた。
「・・・なぁに???」
急遽甲高い声で返事をする。
「ちょっくら行ってくる。」と奈々に耳打ちをするとあたしは恐る恐る男子の所へ向かう。
どんな用事だろう・・・。