攻略難関なイケメン君。
「さっきコイツ美麗ちゃんに怪我させたじゃん。」
いや、怪我させたの君だろ。
「・・・はぁ。」
よくわからないけどとりあえず控えめに頷く。
「コイツにこれ、かけちゃっていーよ。」
え????どうゆうこと??????????
そう言われて自分の手を見てみると
いつの間にか手には殺虫スプレーが握られていた。
「え・・・。そんな・・・こと。できないよ。」
「遠慮しなくていんだよ???」
遠慮なんかじゃないのに・・・。
「やっちゃえ♪美麗ちゃん♡」
「そんな・・・。」
・・・どうしよう。困ったものだ。
あたし的には攻略に近付けたいし、ここはやめときたいんだけど・・・。
やっとかないとなんか色々と面倒だし。
「ほら早く♪」
気づいたら皆大注目していた、あたしに。
うう・・・。
「やっぱで・・・きな・・・い・・・よ。」
女子にはいじめられたことがあるから川谷の気持ちがよぉく分かる。
何とも言えない屈辱的な気持。
反抗できないことに対しての悔しさ。
なのに・・・。
皆の好奇の目が自分に向けられていると思うと・・・。
つい手が・・・。
「や、やっぱりやめよ???」
苦笑いで男子に向かって言った。
しかしあたしがそういうと男子はこっそりあたしに聞こえるように囁いた。