攻略難関なイケメン君。

シュッ!!!

「これでどうだ!!!!!!」

カラ――・・・ンッッ

バリッ

不時着した眼鏡のレンズが割れる音が静かな教室に鳴り響く。

「!?」

男子と女子も口をあんぐりと開けて川谷を見る。

ふふふ・・・

どうだ???超イケメンだろう???

あたしも堪え切れない笑みを少し漏らしながら川谷を見る。

眼鏡は後で何とかなるし!!てか明日から眼鏡なんかさせないし!!





―――そんなすっきりとした表情を浮かべるもつかの間・・・




川谷を見たあたしは学校の校内中に響き渡る程、どでかい声で叫んだ。







「何ぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」



な、な、なぁーんとっっ!!


そこには新たな眼鏡が顔にべっとりと取り付けられていたのだ。

「声でけぇ」

奈々の呆れる声がした。

「死ねよ、お前」

小さく呟く川谷の声もした。


「み、美麗ちゃん??」

男子のまぬけな声もする。


皆、驚けよ!!!!!!!!!!


川谷見て驚けよ!!!


なんで二重眼鏡なんだよ!!!!!!!!!!!!!


フッ


川谷が勝ち誇った笑みであたしを嘲笑う。

「な、ま、まだまだ!!」

同じ黒い縁取りで飾られた眼鏡を、再度剥ぎ取ろうとあたしは試みる。

しかし、手を伸ばした所であっさりと交わされてしまった。



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