今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。


見た目がこんなにギャルで派手なのに、沙良ちゃんは話せば話すほど、中身は情の熱い優しい女の子なんだって分かった。



何事にも慎重派な私だけど、そのあと、下駄箱に2人で座り、沙良ちゃんには全てを話した。



沙良ちゃんは途中、何も言わず……ただただ真剣に私の話を聞いてくれた。



話してる途中………その時のことを思い出しちゃって泣いてしまうこともあったけど、沙良ちゃんは優しく背中をさすって落ち着かせてくれた。



そして、泣いてくれた。

声も出さず………静かに泣いて、私のことをそっと抱きしめてくれた。



沙良ちゃんはどこまでも優しくて……どこまでも強かった。



話を聞いてくれたことで、なんだか今までの嫌な記憶の重みが半分くらいになって軽くなった感じがした。



これが、私のママがよく言う"嬉しいことは2倍、悲しいことは半分"ってことなのかもしれないと……この時、初めて知った。


< 27 / 385 >

この作品をシェア

pagetop