今日から私、キケンでクールな彼に溺愛されます。

吐き気がする……涙が出そう。



身体中が………"男"という存在を拒んでる。



「女子高生いいねぇー」



男は強引に私の肩に腕を回し、私を自分の方に引き寄せた。



「や、やめてください……」



光聖くんの時は大きな声が出せたのに、今回はその時なかった危機感を感じて、か細い声しか出ない。



その間にも、沙良ちゃんはもうひとりの男にソファーに押し倒されていた。



沙良ちゃん……っ。



……声を出したいのに、出ない。

自分でも………だんだんおかしくなっていくのが分かる。



呼吸が荒くなって、吸うことしかできなくなってくる。



「あっちも楽しんでることだし、俺らも楽しいことしよっか?」



とにかく床だけを見て、なるべく顔をあげないようにしていたのに、男にあごを掴まれ、無理矢理顔を上げさせられた。



目を強くつぶり、男の顔を見ないようにしたものの、気配で男の顔が近づいてくるのが分かった。


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