梶山書店物語〈壱〉
「先に言えよ!」

「いえ、わかっててやってるのかと思いまして」

「解っててやってたらおかしいでしょう」

クシャクシャに丸められたFAX用紙を一生懸命に綺麗に伸ばしている。

「ちゃんと整理しとかないからこんな事になるんですよ」

俺は病気だ。

「母親みたいな事言うなよ。
もう、クシャクシャじゃないの」

こんな人に恋をしてしまっている。





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