梶山書店物語〈壱〉
既刊
月末になると新刊が多い。

開店前には店に出てるようにしとかないといけない。

「やっべーよ。見てみろ!
羽鳥千尋の新刊出てやがる」

「へぇー。
それ有名な人っすか?」

「バカ野郎。どの本屋でも人気な作家さんだ!
実用ばっかり相手してないで、たまにはコミックも勉強しろよな」

中身をペラペラと捲って突き返している。
何とも言えない苦い顔をして曽良店長を見ていた。

「こんなキラキラした少女漫画には吐き気がする」

「なんつー事を!!
女子中高生の理想が詰まってんだぞ!!」




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