梶山書店物語〈壱〉
店長は、黙ってジッと俺を見てくるから何か不味いことでも言ったか?

「…まぁ、報告書と診断書持っていかねぇとな…面倒だ」

「最中さんは警察に行かなそうですしね」

「警察が来た途端、姿見えなかったし面倒なんだろうな」

出来れば、俺が一発殴りたかった。

本当は痛いくせに俺らの前では平気な振りをしてイライラする。

「でも、奥村くんがいてくれて良かった」

「急に何ですか?」

「出入口塞いでくれてたから捕まえる事が出来たもんだし」

あなたの一言で俺の真っ黒な気持ちが

「ありがとう」

真っ白になる。






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