梶山書店物語〈壱〉
女子高生の騒ぐ声が耳に入ってくる。

「誰にサービスしちゃってんの!私達だけ損してるからな!」

さらに機械音が聞こえる。
そう、シャッターを押すような音だ。

「ベストショットっす」

無表情で携帯カメラのシャッターを押している最中。

「仕事中に携帯出すな!
遊び場所じゃないんだよ!」

「店長こそ、さっきから店内に響いてるっすよ」

店長の顔は赤くなったり青ざめたりと忙しい。

「いい加減に離せよ」

腕を思いっきりつねってくるから仕方なく離してやった。




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