再会~初恋のやり直し~
・・・数十年前

「みなさん静かにしてください。これから、学級会を始めます。」

・・・ガヤガヤ

静かになる気配がまったくない。

「おーい、静かにしろよー!山田さんが話してるだろ?」
と、担任の先生が言ってくれたとき、ひとりの女子が言った。

「だって、山田さんの声、聞こえないもん。山田さん、学級委員に向いてないんじゃーん!」

「ただ三好君と一緒にいたいだけじゃなーい」

「違うよ、先生の点数稼ぎじゃん。」

「内申書には良いよね~。学級委員とか・・・」

「山田さん、いい子ちゃんだからね。」

とクラス中がいろんなこと言い出した。私は泣き出したい気持ちでいっぱいになった。別に学級委員なんてやりたくなかったのに・・。でも、何も言い返せない自分がいた。

「ごちゃごちゃ言ってないで、学級委員の話きけよー!」

とその時言ってくれたのが市原君だった。

その後、学級会は無事終わったが、今すぐにも学級委員から逃げ出したい気持ちでいっぱいだった。

それでも、1年間続けてこれたのはいつも三好君と市原君が私を守ってくれたからだ。

ただ、同じクラスの女子とはなかなか仲良くなれなかった。当たり障りのない程度に接していたようだった。

一度、トイレの中で聞いたことがある。
「山田さんを敵に回すと先生に目つけられそうだから、テキトーに付き合っておけばいいんじゃない?あの人、いい子ちゃんだから。なんかむかつくけど・・・。」

なんか、無性に悲しくなったのを覚えている。いつも気持ちはひとりぼっちだった。




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