再会~初恋のやり直し~
私は、市原君は別に私を好きだったわけではないんだ。と考えていたら。

「市原があんたを好きだという気持ちに間違えはないと思うよ。」

心の中を見透かされたようで恥ずかしかった。

「ただ、あんたは愛の気持ちがちゃんと理解できてないでしょ?あんたはただ旦那や子供に囲まれて暮らせたら幸せ。って思ってない?」

そのとおりである・・・。

「最終的には確かにそれが一番の幸せだよ。でもそれっていろいろ乗り越えてきた先にある幸せでいきなりその幸せってどうなの?って思っちゃうんだよね。」

私は何も言葉を発することが出来ずにいた。

「もしかしたら、市原もあんたと同じなのかもしれないな。まだいろいろなことを乗り切れていないというか、吹っ切れていないというか・・・」

浅野さんは優しい目で、微笑んで言った。

「だからあんた達が関係をもって、2人ともなんかふっきれて、自分の殻を破ることができたらいいのにって私は思ったんだ。あんた、自分の旦那とちゃんと恋愛してないだろ?ちゃんと向き合ってないでしょ?あんたにはちゃんとした恋愛が必要だと思う。」

私は確かに恋愛なんてしたことない・・・。
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