再会~初恋のやり直し~
「私、三好君のこと好きだよ。」

三好君は私の顔をみた。私は続けた。

「でも、市原君のことも好き。だって2人とも同じくらいやさしいし頼りになるしかっこいい。それに私のこと好きって言ってくれる。旦那に対する気持ちとは全然違うって思う。」

三好君は少し困った顔をした。それでも私は続けた。

「これが小学校5年のときならば、三好君と市原君の間で悩み苦しむことになったかもしれない。二人を天秤にかけて大笑いをしていたかもしれない。お互い、傷つけ傷つき大人への階段を上ったのかもしれない。でも、もう私には旦那がいてそして子供もいるの。三好君の胸に思いっきり飛び込めないんだよ。」

私は泣きたい気持ちを我慢した。

「オレの胸はずっと空いてるんだけどな。」

「ごめんなさい。」

「でも、そんな気持ちで旦那との生活を続けるのはどうかと思うよ。少し自分の気持ちを旦那に打ち明けてみたらどうかな?オレはどんな状態でも由香が幸せでいてくれないと困るんだよね。何かオレも前に進めないっていうか、なんていうか・・・。」

三好君は少し、寂しそうに言った。そして、

「今日はありがとな。」

と言って、ベットもあるシャワーもあるこの部屋で三好君は私に何もすることなく仕事に戻っていった。

私はなんとなく寂しさを覚えた。私はいったい何を期待していたのだろう?

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