野良猫族の奮闘記
第一章にゃ!
「はよ」
「おはよー」
「おはにゃー」
待ち合わせは、何時もの交差点。
ぼくと、みなと、さいと。 お馴染みの三人が集まって学校へ行く。
一見、何処にでもいる中学生だけど、そんなぼくらにも秘密があるんです。
それは____「ねねこ! ねねこってば!」
「え? な、なに?」
みながぼくの目の前で手をふっていた。 ぼくは弾かれたように顔を背ける。

「もぉー、ねねこがボーッとしてるから、さいと君先行っちゃったじゃん!」
「え?! ご、ごめん! 折角のチャンスを…」
「ほんとだよ! さ、早く行こ?」
みなはぼくの手を引いて歩く。
みなは、さいとが好きだ。 いつからなのかはよく分からないけど。
みながくる前からさいとと一緒にいたぼくは、正直アイツの良さが分からない。
でも、そういう奴に限って恋に落ち安いんだと、本で読んだ。
だけどぼくは、絶っっっっっっっ対に恋に落ちないと思うんだ。
そんな話、本の中だけだ。 きっと。
もやもやもやもや…。

学校に着くと、みなとぼくは自然に距離を取る。
みなはずっとそばにいたいらしいけど、ぼくはそっとみなを避ける。
なぜなら、みなは学校のアイドル。 ぼくはへいぼんな女子中学生。
まぁ、いわゆる思春期って奴だ。(よく分からないけど、何となく避けなきゃって気になる)

あ、授業始まっちゃうや、早く行こう。





キーンコーンカーンコーン



「さようなら」
「「「「さようなら!!」」」」
放課後だ! 放課後だ! 待ちに待った放課後だ!!
ぼくはカバンをひっつかみ教室を出た。

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