北向きの枕【迷信ナあれこれ】
――学生の楽しみである昼食の時間。
小岩井と大橋は今日も机を向い合せにして黙々と腹を満たす事に専念していた。
「どかーん!!」
そんな騒がしい声と共に、二人の机に新たに机が追加される。
机がぶつかった衝撃で、やっと掴んだ里芋に逃げられた小岩井はとても不機嫌そうに小池を睨んだ。
「大丈夫! 三秒だから、セーフ! セーフ!!」
小池はケラケラと笑う。
「まだ、拾ってもないから!!」
箸を握りしめて小岩井は叫ぶ。
「机の上だから十分大丈夫だ」
冷静に大橋はそういうと、卵焼きを口に運んだ。
大橋にそう言われ、小岩井は渋々と里芋を捕まえて文句と共に呑み込む。
「そういえば、小ちゃん今日も怒られてたね」
菓子パンの袋を破った小池は唐突に話を振る。
「そうだな、最近多い。ゲームでもしてるのか?」
大橋も興味を示して、一旦箸を止める。
しかし、小岩井は端を止める事をせずに少し俯く。
「別にゲームも何もしてないんだけどさー なんか、家のベッドで寝れば寝る程眠くなるんだよ」
溜息を吐く小岩井。
「…………」
「ちなみに、小ちゃん昨日は何時に寝たの?」
首を傾けながら小池が尋ねる。
「9時」
それだけ回答すると、小岩井は煮物の人参を咥えた。
「寝過ぎだ」
「寝過ぎだね」
大橋と小池は口々に感想を述べると、再び栄養補給に戻る。
「でも、そういうけど、起きてられないんだもん」
やっと一旦箸を止めた小岩井は力強く訴える。
「……大ちゃんのそのから揚げおいしそう」
「あげないからな」
小岩井の訴えなど端から聞く気もないという様に二人は食べ物の話を始めた。
小岩井と大橋は今日も机を向い合せにして黙々と腹を満たす事に専念していた。
「どかーん!!」
そんな騒がしい声と共に、二人の机に新たに机が追加される。
机がぶつかった衝撃で、やっと掴んだ里芋に逃げられた小岩井はとても不機嫌そうに小池を睨んだ。
「大丈夫! 三秒だから、セーフ! セーフ!!」
小池はケラケラと笑う。
「まだ、拾ってもないから!!」
箸を握りしめて小岩井は叫ぶ。
「机の上だから十分大丈夫だ」
冷静に大橋はそういうと、卵焼きを口に運んだ。
大橋にそう言われ、小岩井は渋々と里芋を捕まえて文句と共に呑み込む。
「そういえば、小ちゃん今日も怒られてたね」
菓子パンの袋を破った小池は唐突に話を振る。
「そうだな、最近多い。ゲームでもしてるのか?」
大橋も興味を示して、一旦箸を止める。
しかし、小岩井は端を止める事をせずに少し俯く。
「別にゲームも何もしてないんだけどさー なんか、家のベッドで寝れば寝る程眠くなるんだよ」
溜息を吐く小岩井。
「…………」
「ちなみに、小ちゃん昨日は何時に寝たの?」
首を傾けながら小池が尋ねる。
「9時」
それだけ回答すると、小岩井は煮物の人参を咥えた。
「寝過ぎだ」
「寝過ぎだね」
大橋と小池は口々に感想を述べると、再び栄養補給に戻る。
「でも、そういうけど、起きてられないんだもん」
やっと一旦箸を止めた小岩井は力強く訴える。
「……大ちゃんのそのから揚げおいしそう」
「あげないからな」
小岩井の訴えなど端から聞く気もないという様に二人は食べ物の話を始めた。