北向きの枕【迷信ナあれこれ】
寝不足?
 静かな教室内にスパンという軽やかな音が響くと少ししてから一人の男子生徒が立ち上がって叫び声を上げた。
 「大橋!!敵襲だ!」
 再び教室内に軽やかな音が響く。
 小岩井は後頭部の痛みと共に周囲を見回して青ざめる。
 何故なら教科書を片手に数学教師が青筋を浮かべつつ、微笑んでいるからだ。
 「えーと……」
 いい言葉が浮かばなかった小岩井は静々と座席に着席して、必死に黒板の数字を写し始める。
 それをみた数学教師も大きな溜息を吐きつつ、授業を再開した。
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