君が恋に落ちるまで。

『 ･･･瑞穂？ 』




電話の相手は慧くんだ。
瑞穂ちゃんの声が遠くなったからか
少し心配そうな声だった。




「 ･･･あ、の･･･ 」


「 話はまだ終わってないよ 」


「 ･･･でも、今･･ 」




片手で携帯を取り上げて
空いた手で彼女の顎を掴む。




「 俺は、瑞穂ちゃんが好きだよ 」




受話器越しに、息を呑んだ彼は
”ふざけんな”と、小さく言った。
混乱している彼女にその声は
届いていないようだった。




「 悠也さ･･･ッん 」




キスを仕掛ければ彼女はもう
電話のことなど忘れて、
少し逃げながら俺のキスに応える。