君が恋に落ちるまで。




「 ・・・ここでいいですよ 」


「 だめだよ、女の子なんだから 」




少し乱れた服装を直しながら
悠也さんの方へ振り返れば
そう言って悠也さんは
優しく微笑んだ。




”危ないから”と言って
マンションを出ても悠也さんの
大きな手はあたしの手を掴んだままだ。




「 ・・・家まで送らせて? 」


「 え?・・・そんな 」


「 もう少し瑞穂ちゃんと居たいから 」




外は暗くて、寒くて。




あぁ、もう。




「 ・・・・ズルイですよ 」




そんなことを言われて、
振り払えるわけがない。






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