欠点に願いを
「俺以外に誰が取るんだよ」
「いや、あまりにも字が綺麗だから驚いちゃって。普段の宏樹ってもっと字汚いじゃん?」
「それは黙っとけ」
雪はクスクスと笑いながら、教科書を取り出した。
「ありがとう、宏樹。僕、分かんないトコいっぱいあるから、教えてくれる?」
「……分かったよ、分かるトコならな」
……思ってたよか手がかかりそうだ。
「いや〜助かるよ、勉強教えてくれる人がいると」
俺は少し疑問に思って、この際だから雪に色々と聞いてみる事にした。
「雪ってさ、今までにもこんな感じで、授業分かんなくなるくらい学校休んだ事あった?」
「沢山あったよー。僕が休みがちなのは、宏樹もよく知ってるでしょ?」
俺は頷く。
雪は笑いながら話してるけど、きっと簡単な事じゃなかった筈だ。
「じゃあ、今までは授業が分かんなくなったらどうしてた?」
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