欠点に願いを






学校を出た俺と雄一は、ファミレスに直行する。
有り難くない事に、この町にはラーメン屋が存在しない。
よって、ラーメンを喰う為には中華系ファミレスに来るしか無い。



「……で、用事は何?」


注文したラーメンを待ってる間に、俺は雄一に質問してみた。

雄一は「んー? 何ー?」とごまかし、逃げるように立ち上がった。
自分から呼んだくせに。何だコイツ。

暫くして戻ってきた雄一は、オレンジジュースを二つ持って戻ってきた。
どうやらドリンクバーに行ってたらしい。
チョイスがオレンジジュース……俺達はガキか。


「はい、どうぞ」


笑顔でオレンジジュースを差し出す雄一。
取り敢えず、俺はオレンジジュースを受け取る事にする。


「サンキュ。……で、用事は何?」

「……オマエさ、今日は、見れた?」

「何を?」


勿体ぶらないで欲しい。


「他の奴らの目だよ」





.
< 51 / 108 >

この作品をシェア

pagetop