欠点に願いを

V







「気をつけ! 礼!」

「ありがとうございました!」


今日は日曜日。
しかし文化祭直前の演劇部員に休みなど無く、練習に来ていた。

水曜日に出たCDも欲しいし、家で小テストの勉強もしたいし、雄一に捕まる前に帰らなくては。
俺は急いで学校を出た。



学校から歩いて7分の所にある大型の家電量販店。
の、6階に入ってるCD屋に俺はいた。

今回欲しいのは、インディーズで爆発的な人気を誇り、この度に晴れてメジャーデビューした、DEARってバンドのデビューシングルだ。
ドラム担当の純希(ジュンキ)は、俺の卒業した中学の先輩らしい。


「あれ、浩太先輩じゃないですか?」


CDの棚の前でDEARのシングルを眺めていると、後ろから女の声がした。
振り返ると、ココが別のCDを持って立っている。


「…おぅ。ココ、お疲れ様」

「お疲れ様です」


ココは俺の横までやってくる。
……えーっと、出来るだけココの目を見て話して、っと。





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