引っ込み思案な恋心。-3rd~final~
「……うまいと思うけど?」
「あっ、ありがとー。たくさんあるからどんどん食べてねー」
この二人…、結局ヨリを戻すことはなかったな。
だけど、何かいい感じになってる気がする…、気のせいかもしれないけど。
「なあなあ、柚の作ったヤツ、どれ?」
「え?私のはハムとレタス…この辺のかな?」
「じゃーコレいただき〜」
拓は私の作ったサンドイッチを嬉しそうに食べてくれた。
そう言えば拓に何か料理とか作ってあげたことなんてなかったけど…
こんなにおいしそうに食べてもらえるなら、今度何か作ってみようかな…?
「ちょっと男子!私の作ったヤツも食べなさいよね」
「あゆ〜、余ったらうちらが食べるって。ねぇ、柚」
「何気にあゆが一番料理してるからおいしいかもしれないね」
そうやってみんなで話しながら昼食を食べていると、「ピンポーン」とインターホンの音が聞こえた。
「おっ。そろそろアイツら来たんじゃねーの?」
「は〜、何か私まで緊張してきた。みんな受かってるかなぁ?」
「何であゆが緊張するの〜?」
拓が部屋を出て、玄関の方に行った。
しばらくして、映美佳達の声がかすかに聞こえてきた。
やっぱりみんなの予想通り、県立受験組がやってきたみたい。
あゆじゃないけど、私も少し緊張してきたよ。