引っ込み思案な恋心。-3rd~final~





「みんな〜、お待たせ」



「あっ、3人とも揃ってるねぇ」



「学校に結果を報告しないといけないからね。学校で待ち合わせて来たんだ」



「それでそれで?みんなどーだった?」






拓の部屋が緊張で包まれる。








ほんの少しの沈黙の後、映美佳がニッコリと笑いながらピースサインを出してきた。






「3人とも合格!」



「え?マジで?おめでとーっ!!」






みんな…受かったんだ……。





良かった、私もすごく嬉しいよ。







すると後ろから「パンパン」という音が響いた。





驚いて振り返ると、拓と倉本くんがクラッカーを鳴らしていた。






「ちょっとアンタ達、クラッカーするならするって言ってよねー。マジでビビったじゃん」



「わりいわりい。驚かせようと思ってさっき買ってきた」



「誰か落ちてたらどーするつもりだったのよ?」






あゆはまた拓に文句を言ってたけど、目は笑ってた。





みんな頑張って受かったんだもん、やっぱり嬉しいよね。








「あーさんもおめでとう」



「ありがと、柚。これ受からなかったらさすがにキツかったけど、何とかいけたよ」



「一応は第一希望…だったもんね」



「うん。親には悪いけど、私にはI高校が第一希望だから」






あーさんは唯一『不合格』を経験しているけど、自分の中の希望校には受かったから、すごく嬉しそうだった。





あーさんだけじゃない。





やっと全てが終わって…、みんなとってもいい顔してるよ。





< 271 / 281 >

この作品をシェア

pagetop