引っ込み思案な恋心。-3rd~final~
「みんな〜、お待たせ」
「あっ、3人とも揃ってるねぇ」
「学校に結果を報告しないといけないからね。学校で待ち合わせて来たんだ」
「それでそれで?みんなどーだった?」
拓の部屋が緊張で包まれる。
ほんの少しの沈黙の後、映美佳がニッコリと笑いながらピースサインを出してきた。
「3人とも合格!」
「え?マジで?おめでとーっ!!」
みんな…受かったんだ……。
良かった、私もすごく嬉しいよ。
すると後ろから「パンパン」という音が響いた。
驚いて振り返ると、拓と倉本くんがクラッカーを鳴らしていた。
「ちょっとアンタ達、クラッカーするならするって言ってよねー。マジでビビったじゃん」
「わりいわりい。驚かせようと思ってさっき買ってきた」
「誰か落ちてたらどーするつもりだったのよ?」
あゆはまた拓に文句を言ってたけど、目は笑ってた。
みんな頑張って受かったんだもん、やっぱり嬉しいよね。
「あーさんもおめでとう」
「ありがと、柚。これ受からなかったらさすがにキツかったけど、何とかいけたよ」
「一応は第一希望…だったもんね」
「うん。親には悪いけど、私にはI高校が第一希望だから」
あーさんは唯一『不合格』を経験しているけど、自分の中の希望校には受かったから、すごく嬉しそうだった。
あーさんだけじゃない。
やっと全てが終わって…、みんなとってもいい顔してるよ。