引っ込み思案な恋心。-3rd~final~





私は昨日、拓の卒業アルバムに寄せ書きを書いた。





スペースが無くて小さい字になったけど、心を込めて……






『高校に行ってもずっとずっと拓をあたためたいです』






…確か、そう書いた。






口に出して言うと照れるけど、ちゃんと文字として残るものだし、自分の今の正直な気持ちを書きたかった。





拓は何て書いてくれるんだろう…?





少し楽しみで、少し緊張するかも。








「はいっ!できた」



「見てもいい?」



「おう」






私は恐る恐る卒業アルバムを開いた。





クラス別の個人写真のページを通り過ぎて、体育祭、合唱コンクール、修学旅行……





色んな行事で撮った写真をチラリと見つつ、私の手は寄せ書きのページで止まった。








『Dear 柚
わたしと友達になってくれてありがとう。
すごく楽しい中学生活だったよね。
高校行っても瀬川とななっぺとがんばって!
また時々遊ぼうね  あゆみ』






『柚へ
無事柚と同じ高校に通うことができそうでうれしいよ。
これからもよろしくね。
また色々語り合おうね。
          奈々』





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