引っ込み思案な恋心。-3rd~final~
「えっと…、ごめん……」
「いーよ。私一人だけあんな大荷物ぶら下げてんだもん。目立たないわけない。あの二人がバカなんだよ」
「やっぱり…、荷物持たされてたの?」
「さすがに会計は別だったけどね。部屋に入るまではずっと持たされてたよ。でも…たぶん杉田さんがいても同じだよ。荷物の量が減るだけじゃない?」
「そんな…」
ようやく部屋の前に着き、蘇我さんがジャージのポケットからカードキーを取り出して、それをカードの穴に滑り込ませた。
カードの穴の上のランプの色が変わり、カギが開く。
ドアを開けた蘇我さんに促されて、私は部屋に入った。
…確かに、誰もいない。
ただ、私達の荷物の大きなスポーツバッグが何個か置いてあるだけだった。
「まだ帰ってないのか…。もしかしたら就寝時間過ぎても帰ってこないかもね」
「ええっ!?見つかったら怒られるよ…」
「先生もそこまで見ないって。まあもしかしたら先生もスペアキー持ってるかもしれないから、クッションでもベッドの中に仕込んでおくか」
「こんなことまでやらされてるの…?」
つくづく、蘇我さんの苦労が思い知らされる…。
「杉田さんも彼氏の所に行く?だったらアリバイ作りしとくけど」
「いや…、さすがに男子の所には行けないし…、見つかるの怖いから……」
「杉田さんは真面目なんだね」
…それもあるけど、蘇我さん残して部屋を出れるわけないよ。
蘇我さんがこうやってずっと一人で耐えてるのに……。