引っ込み思案な恋心。-3rd~final~
そこでやっと、蘇我さんが顔を上げた。
ハッキリと見えた頬の切り傷が、ものすごく痛々しい。
私の予想より切れていたみたいで、少しびっくりした。
「おい、蘇我っ!マジで大丈夫なのか?歩けなさそうならホテルまで送るけど…」
「だから大丈夫だって言ってるじゃん、瀬川」
「いや、西田に聞いてないんだけど」
蘇我さんが話そうとするのを遮るように、西田さんが話をかぶせてくる。
…これじゃあ、堂々巡りだ。
何か…、私からも言わなきゃ……!
「…私、蘇我さんを助けたいの。あの放課後…、ずっと女子で一人だった私に話し掛けてくれて、本当に嬉しかった。だから…、今度は私が蘇我さんを助けさせてくれないかな?」
私は、蘇我さんに対する素直な気持ちを口にした。
自分で思っていることは、口にしないと相手に伝わらない。
私が中学に入って、拓をはじめ色んな人に教わったことだった。
素直な気持ちなら、きっと届く。
蘇我さんにも…、西田さんと間山さんにも。