のたお印の短編集
別の日の夜。
とある駐屯地。
警備の為に自衛隊員が立っている。
その目の前を。
「……」
不敵にも亮二は歩いて通過し、駐屯地の門を飛び越えて敷地内に侵入する。
無論、許可なしの侵入だ。
下手をすれば隊員達の持つ自動小銃で射殺されても文句は言えない。
だが隊員達はそうはしなかった。
まるで亮二を見て見ぬふりでもしているように。
『気殺(けさつ)』という技法がある。
気配を殺す事はどんな侵入者でも行う事だが、気殺はその究極。
気配を零にする。
気配が全くない状態にするのだ。
するとどうなるか。
人間は視界に入っていても、気配がない者には『いない』と判断する。
例え石ころや草花が存在しても、意識しなければ『只の風景』と認識してしまうように。
気配がない者には『風景』と判断してしまうのだ。
『風景』を警戒する者はいない。
とある駐屯地。
警備の為に自衛隊員が立っている。
その目の前を。
「……」
不敵にも亮二は歩いて通過し、駐屯地の門を飛び越えて敷地内に侵入する。
無論、許可なしの侵入だ。
下手をすれば隊員達の持つ自動小銃で射殺されても文句は言えない。
だが隊員達はそうはしなかった。
まるで亮二を見て見ぬふりでもしているように。
『気殺(けさつ)』という技法がある。
気配を殺す事はどんな侵入者でも行う事だが、気殺はその究極。
気配を零にする。
気配が全くない状態にするのだ。
するとどうなるか。
人間は視界に入っていても、気配がない者には『いない』と判断する。
例え石ころや草花が存在しても、意識しなければ『只の風景』と認識してしまうように。
気配がない者には『風景』と判断してしまうのだ。
『風景』を警戒する者はいない。