愛をくれた神様

彼女は。長い赤い爪をして、ハガキを読んだ。
僕より真剣そうな眼差しだった。

「……う~ん。てか、このハガキだいぶ古いよね。今日届いたん?」

彼女は赤いハンコのらんを指さした。日付がかかれてある。よく見ると、平成8年の日付だった。

「え~。」

そこは気が付かなかった。僕は目を丸くした。

「平成8年って言ったら…。7歳?8歳くらい?。小さい時自分が書いて、それがちゃんと届かずに今日かえってきたんと違うん?。」

「…いや~記憶ないけどな…。」

 こっちに引っ越ししてからハガキをそこの友達に書いた記憶は全くなかった。

「…それか、お兄さんかも。」


彼女は言った。いい線いってる、と思った。


「兄ちゃんならありえるかもな。」


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