廻音
11
数日後、再び私達は光陽公園に居た。
彼、黒雅さんは決まってこの公園を指定する。
まるで「自分は此処に居る」と、姉にバレたいみたいに。

ここに来るまでの間、來玖さんと電話で話していた。
今日黒雅さんと会う約束だと話せば、「今日一日が早く終わるように、神様にでも祈っておくよ。
まぁ、こんな状況を作り出したのが神だって言うんなら喜んでブチ殺すけどね。」と悪態をついていた。

今日は背後から足音はしない。
幸か不幸か彼は学生の私と違って休日お勤め中だ。

ただ少し、彼への罪悪感は拭いきれないから、もし今日彼に会ったらウンと優しくしようと決めている。
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