廻音
あの日の私に「一目惚れだ」なんて言われても信用出来る筈もないけれど、あの時の彼の行動が、後に私の心に強く根を張った事は否定出来ない。

在り来たりな言葉だけど純粋に「救われた」気がした。

「奏 來玖」と名乗った彼の名前が胸に残り、強く私を惹き付けた。

愛を奏でる様に。
ライク…私はきっと彼を好きになる。

「廻音。月城 廻音です。」

綺麗な名前だね、と微笑んだ彼を今でも鮮明に思い出す事が出来る。



來玖さんは私のヒーローだ。



後日、彼が上司にみっちり絞られた事は言うまでも無い。
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