廻音
ただ白いだけの壁を眺めていても、面白い事など勿論一つもなくて、退屈ならば退屈なりにと期待もしてみたけれど、睡魔さえ襲ってきてはくれない始末。

何気なくテーブルの上に目をやれば、「白」が視線を捕えた。

黄色いテーブルは、その「白」を一層際立たせている。
魔術でもかけられた様に吸い込まれる。

わざと脳内から追い出そうとしても、足掻く分だけ意識を集中させられた。

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