お前が好きなのは俺だろ?


「後悔……してるのか?」



「後悔?」



「昨日、俺とあんな風になって、もう家族には戻れないってことをさ」



「っ……」



未来の手が俺の手を握り返してきたことが、少なからず後悔していることを肯定しているということを示しているような気がした。



「わかんないの……。後悔はしてないって、思っているのに……。お母さんたちを騙していると思うと、胸が痛くて……」



「じゃあ話すか?俺たちの関係」



「え?」



ずっと考えていた。



父さんに俺たちのことを話して、認めてもらうこと。



「でも、そしたらきっとお母さんたちはあたしたちに遠慮して結婚しないと思う。それだけは嫌なの……」



やっぱりな……


未来ならそう言うと思った。



自分のことより、未来なら祥子さんの幸せを望むと思っていた。




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