幕末ヴァンパイア
「…起きましたか、土方さん?」
「あっ////…ぁあ…////」
土方さんは頬を赤く染め、どもった様子でそう言った
昨日の眉間寄せて凄まじいほどの気迫で殺気だっていた彼からは想像できない
可愛らしいお方だ…
これが素なのだろうか…?
「可愛いい…」
「あぁん?何か言ったか?」
「いえ…ただ…
可愛らしいお方だな、と」
私はそう言うと土方さんはボンっと赤い顔をもっと赤くして
「な、何をいいやがる…////!!」
と言って向こうをプイッと向いてしまった
その可愛らしい様子から
彼は本当の【鬼】じゃないってこと
彼は普段から自らを偽っていることに気づいた
土方さんはなぜこんなにも優しいのに自ら悪役を買って【鬼】となってしまったのだろう……?
この人は……
それが平気なのか…?
私は今まで、人を信じ、愛し、守るということをまだ知らなかった
だから土方さんの気持ちなど知る由もなかった