蜜色トライアングル ~Winter Blue



「ねぇ冬青さん。……覚えてる? 私があの時、言ったこと」

「俺とあんたが同じだと言っていたな」

「さすが冬青さん。よく覚えているわね」


くすりと馨は笑う。

その瞳は楽しげだが、どこか真剣な影がある。


「私も、ね。……ある特定の種類の人間にしか、体が反応しない性質なのよ」

「……」

「正確に言うと、寂しげな目をした女の子。木葉ちゃんはまさに、私のタイプなのよ」


馨は言い、目を伏せてコーヒーを一口飲んだ。

冬青は冷静な瞳でそれを見つめている。


「あの夜。あなたたちと兄弟じゃないって知って混乱した木葉ちゃんは、私に連絡してきたわ。それで、インペリアルタワーで待ち合わせをしたの」

「……」

「せっかくのチャンス、モノにしないわけにはいかないでしょ? ……でもね……」


馨はそこで言葉を止め、冬青を見た。

艶やかな瞳の奥の、どこか真剣な眼差しが冬青の心を射る。


< 108 / 137 >

この作品をシェア

pagetop