蜜色トライアングル ~Winter Blue



そもそも結婚などハナから考えてはいない。

女に反応しない体では結婚など到底不可能だし、興味もない。


冬青は荒れ狂う想いを理性の力で押し殺した。

錯乱した木葉の頭を静かに撫で、静かに言う。


「お前がそう望むなら」

「……っ」

「兄として。一生、お前の傍にいてやる」


冬青の言葉を聞いた瞬間。

木葉の体が、冬青の腕の中でかくりと力を失った……。



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