歩ける僕と車椅子のキミ



そうこう考えてる内に検査の
時間がきた。
診察室の前の長椅子の横に行く。

数分後…

「相沢さーん、どうぞ。」


中から聞き慣れた声が聞こえてきた。


…ガラガラガラ


『せーんせっ』


「莉子ちゃん、調子どう?」


『ん~かわりないよ。』


今目の前にいるこの人は、
私が産まれたときからずっと
診てくれている兼田先生。

ちなみに、もう50代前後?の
おじちゃんである。


笑うと目がなくなるって良く言う
けど、まさに兼田先生のことだ。


「今日も子ども達のとこに

行ってたのか?」


診断書に何か書きながら
話しかけてきた。


『うん。

私が行かなきゃ皆寂しいみたい♪』


「ッハッハッハッハ

そうかいそうかい。」


あ、また目がなくなった。


「じゃあ、ちょっと足動かすぞー、

どうかね?」


やっぱりだ…
全く感覚がない。


先生は私の表情で読みとったようで、

「そうか。

じゃあ、また薬出しとくから、

検査しようか。」



先生は看護師さんに何か伝えて
私は検査を終えた。




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