家族☆ごっこ★
「最初会った時 すっごい意地悪なヤツだと思った。」

「今は?」

「う・・・よくわかんないよ。
でもおかあさん思いなのはわかった。」

「ははは…最初 俺すっげーいい方したもんね。
もうここは高圧的態度で
勢いで琴子をさらって来ようって作戦。」

さらうって何か胸がキュンってする。

「一つ言えることは ここにきてよかったってこと。
向こうにいたら肩見狭く人生呪いながら生きてたと思う。」

「俺もさ かあさんに感謝してるよ。
最初は戸惑ったけど こうして違う自分に
なれたことに救われてる。」

「違う…自分?まだ知らない顔があるの?」

「どうかな。」

光の息が耳元にかかって失神しそう。

そんな失神寸前の私から光は静かに離れた。

「じゃ 行ってくるわ。
琴子も頑張って。」

学校モードの顔に変わった。

あ~~やっぱ…素敵……。
まだ光に抱きしめられたぬくもりが残っている。


同居人だから・・・
きっと光は素直な表情を見せてくれるのかもしれない。
恋をしてるなんて知ったらきっと


光は離れていってしまう

そんな気がしてならなかった。
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