ありきたりな"恋"





…ッ――






先生と女子生徒の顔が頭に浮かぶ。






私はこんな放課後を先生と過ごす気ではいなかった。







パソコン室から離れた所まで走り、歩いた。







「……先生…」





「………栗原さん!」





その声に私は振りむいた。




私は会いたくない一心で再び走った。が、テニス部の顧問の先生にかなうわけもなく
捕まってしまった。






「…ハァハァ、どうしたの…?」





私が逃げないように腕を掴んで
問い掛ける。






「仕事終わったんで、帰ろうとしただけです…。」






ツンと冷たい言い方に先生は
困ったなと頭をかいた。




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