年下男子にご用心!?
「ちょっと!何するの!?止めてよ!」


元村漣次の腕の中で暴れても、逆にギュウッと強く抱きしめられる。


「ちょっ!元村君!」

「・・・だって翠さん、うそ付いてるから」


うそ?
だから?

だからなに?


「――っ!」


動きづらかった腕の中で、私は思いっきり力を込めて元村漣次から離れた。


「だから慰めって訳?そんな事しないで!バカにしないでよっ!」

「俺はそんなつもりじゃ!」

「だったら、今のは何?」

「それは・・・」


俯いて言葉に詰まる元村漣次。


「何も言うことが無いようだから私はこれで失礼するわ。お疲れさま」


次の日から私は、部長から許可を得て後輩とデスクを変わってもらい

元村漣次とは業務以外の関わりを持たないよう努めた。


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