eternal snow
#4
それから、
私とマサミは
奇妙な帰り道を共にしていた。



何を話すでもなく、
ただ、
同じ時間を
一定の距離で
歩いていた。



寂しげな瞳。



その瞳は、
確実に私をとらえている。


私が、存在している。



でも、
それだけだ。

その瞳に、
何かを感じていたけど。
私を、
とらえてくれているのだという、
少しの安堵感のような。



でもそれは、
日々の暗さに
すぐに消されてしまう。



塾の授業は、
学校とは違っている。

優しげなおじさんの、
柔らかな関西弁で。

やけにあっけなく
頭に入ってくる。



比例して。
成績があがるわけで、
それはまた、
何かを助長させる。



あぁ、またか。
机に何か書いてある。
中には
何か入ってる。

マジックででかでかと
書かれた、
尖った文字。

机の中は、
ごみ箱になっていたようだ。



痛い。



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