‐彼と彼女の恋物語‐

五物語。




―――――――……

――――…



最近の彼は執筆活動とともに無駄に人気の出始めたモデル活動で芸能人さながらの生活を送っている。


熊谷さんの配慮と彼の意向により執筆活動の方が優先されているが、彼のルックスやその才能から物凄い人気を得ている。



この日も彼は酷く疲れた顔をして朝を迎えていた。



「おはようございます、先生」


覇気のない心配そうな声音をだす彼女はゆっくりと寝室に入ってくると、未だ眠そうなのに起きようとする彼を制する。



「まだ、寝てください。遅くまで仕事だったんでしょう」

「…ん、ごめん」

「いいえ、おやすみなさい」



乱れた布団をかけ直して、彼の額に手を置くと熱がないか確認する。



「(無理しないでください)」


その思いだけを込めて寝癖のついた髪を撫でた。



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