ありがとう ~ずっと。ずっと。いつまでも。~
今、私の顔が真っ赤だと悟られないよう、いつもの同じように明るく結斗に声をかけた。







「ほらぁ!結斗!起きてぇ!次の授業始まっちゃうよぉ」





結斗は、すでに私から離れていて、机に座っていた。






「えぇ!授業?そんなのサボればいいじゃん」











サボるなんて、絶対に嫌。



だって、来年の高校受験に悪い影響を齎すだろうから。



私、一応優等生だからね。







そんなことしたら・・・。





後々。大変なことになるよ。








「ね?未織も一緒にサボろうよ」





「勉強しないとダメでしょ!」





「勉強?そんなもの必要ないよ」








...結斗さんよ。






どこまでのんきなんだ。








そして、ものすごく、勉強が嫌いなんだね。



だって、顔が般若みたいだもん。












「あんた成績表オール1でしょ!」




「いや、体育だけ5だけど?」











そんなこと、どーでもいいわ!





っていうか、体育だけがよくても、意味ないでしょうが!





少しは、数学や英語の勉強しろ!






そんなことも分からないのか!










っていうか、自分がアホだという自覚あるのかなぁ?











「おーい。未織?全部聞こえてるんだけど?」





・・・。






「...全部しゃべってた?」



「うん」



















あぁぁぁぁ.....。





まただ。





この癖、どうやったら直るんだろう?





しかも、結斗に言っちゃったし。







最悪だぁ。














「おぉい。大丈夫?固まってるけど...」






「だ...いじょ...ぶ」







「ふぅん。じゃ、早く教室に戻ろ」









あ、もう授業始まってる。












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